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自動車に関する文書の英和/和英翻訳をしていて、面白いと思った用語や、疑問点をリストしました。 インターネット上には以下のような自動車用語集や辞典があります: Motor-Fan自動車用語集オートモ−ティブ・ジョブズ自動車業界用語辞典 ウィキペディア フリー百科事典 自動車用語一覧 グーネット自動車用語集 自動車なんでも用語集 KAWADA 自動車用語集 ミツヤ自動車 自動車用語辞典 ここから下が「自動車用語のトリビア」です クラクション → horn *5, *6一般に「クラクション」といえば自動車の警笛?を意味しますが、自動車業界では「ホーン」といいます。「ホーン」の語源が英語であることは明白です。「クラクション」の語源はフランスのKlaxon社の商品名からきているようです。ゼロックスやホチキスが日本語になった経緯と類似していますが、Klaxon社のホーンは現在も一部カーマニアにとっては垂涎のパーツのようです。英語のklaxonがアラームや警報音を意味するのは同じ語源であることが想像されますが、特に自動車のホーンを示すことはないようです。 オープンカー - cabriolet, convertible, roadster, spider, softtopカブリオレ、キャブリオレ、コンバーチブル、ロードスター、スパイダーはいずれも屋根なし自動車の日本語といっても差し支えないと思いますが、同じ意味の「オープンカー」は、新聞では使用されますが、自動車雑誌では使用されないために、自動車マニアが眉を顰めて読む日本語なのではないでしょうか?英語ではsofttopともいいますが、日本語の「ソフトトップ」は自動車用語というよりはコンピュータ用語になっている感じがします。通常2頭だての四輪馬車phaetonには屋根がありませんが、自動車用語としてのphaetonはツーリングカーということになっており、現在はVWセダンのモデル名にもなっています。 交通渋滞、のろのろ運転日本語で「交通渋滞」の類似語あるいは、同じ意味で他の表現を思いつかないので、お知らせください。また、英語には、heavy traffic, traffic jam, tail-back, tailbacks,crawling, congestion, clogged, choked, bottle-necked, full-upがありますが、他にもあったらお知らせください。しかし、英語の方が多彩に思えますが、なぜでしょうか? 遊び = play「遊び」の訳語が「play」であることなど中学生でも知っているのですが「機械の部分と部分がぴったり結合されておらず、その間に或る程度動きうる余裕の或ること(広辞苑)」を意味する言葉が、英語と日本語で一致するなんて珍しいのではないでしょうか?それとも明治時代の直訳語だったのでしょうか?どなたかご存じないでしょうか? 『車のマニュアルのチェックを頼まれたとき、「クリアランス」か「遊び」とすべきところがみな「プレイ」となっていたのには驚きました。ドイツ語では「Spiel」ですからなるほど「play」に違いないのですが・・・』*2。 ドイツ語まで「遊び」が一致するのですね!? 半ドア = door ajarajarは形容詞(または副詞)なのに、なぜかajar doorとは言わないで、必ずdoor ajarというのは、ajarの語源(on char= in turning)において、aがonを意味すること、および、そのように接頭辞aで始まる形容詞は、英文法において叙述用法にのみ用いることになっているため、名詞の後にくるそうです。ただしa slightly ajar doorのようにajarが他の副詞、形容詞の修飾を受けているときは、限定修飾用法すなわち名詞の前にくることもあるそうです。*7 carburetor:キャブレターカタカタでローマ字と英語の発音を考えれば「カーブレター」とか「カービュレター」あたりになりそうな気がしますが、carbの部分をなぜ「キャブ」と呼ぶことにしたのでしょうか?米語なまりなのでしょうか?cowをキャウというような?細かい話になりますが自動車用語としては「キャブレター」が主流であり、「キャブレタ」や「キャブレータ」は少数派のようです。 release:レリーズ自動車以外では、カメラでもレリーズといいますね。日本では昔はレリーズといって、最近はリリースというようになってきたのでしょうか?自動車とカメラを除けば、日本語として「リリース」が一般的なのではないでしょうか? ワッシャ、ウォッシャ=washer英語はwasherでひとつの単語なのに、日本語では「ワッシャ」とは「座金」のこと、「ウォッシャ」とは「洗浄液」のことと、厳密にカタカナ表記と意味を区別するのはなぜでしょう? boring:ボーリングシリンダの内径のことは「ボア(bore)」というのに、シリンダの内側を切削することは、なぜ「ボアリング」といわないで「ボーリング」ということに決めたのでしょう? 諸元 = specification, dimension自動車の「主要諸元」、あるいは「諸元」は通常、英語では「Specification」と書かれますが、まれに「Dimension」あるいは「Dimension and capacity」などどと書かれる場合もあります。Specificationを日本語に訳すと「諸元」または「仕様」になりますが、「仕様」という日本語は正式、公式なニュアンスが強いため、やや意味があいまいな「諸元」という言葉がカタログなどで使用されるようです。英語の「Dimemsion」は、sizeと同様、「寸法」のみを限定して示すことが多いのですがまれに、寸法以外に重量、容量、ときにはエンジン性能まで含まれることもあります。このような場合、日本語として「寸法」は不適切になり、「諸元」がよく意味を表すと考えられます。しかし、市販の和英辞典には「諸元」という日本語が掲載されていません。また、英和辞典のdimensionの訳語は「寸法、次元、広がり、面積、容積、大きさ、かさ、規模、範囲、重要性、一面、特徴、特質」などであって「諸元」という訳語は掲載されていません(注1)。 high-centered = 車の中心が高い日本語では「車の中心が高い」といわないため、「最低地上高が高い」ので悪路走破性に優れる場合と、high-centered massまたはhigh-centered gravityすなわち「重心が高い」のでロールしやすい欠点を示す場合で表現を変える必要があります。 最低地上高 = ground clearance自動車のタイヤを除くシャーシ下部の一番低いところ(通常はデファレンシアル・ケース下端)から地表面までの距離、間隙を日本語では最低地上高またはカタカナでロード・クリアランスという。英語でroad clearanceというのは、橋の下や、トンネルの天井から路面までの距離、間隙のこと、道路から地雷を除去すること、あるいは(軍隊の)道路通過等を意味する。road clerance timeとは軍隊の縦列が道路の特定箇所を通過するのに要する時間を意味する。最低地上高を英語ではground clearanceという。*1 エンスト = engine stallグランプリ出版社の自動車用語辞典の「エンスト」の項には、「エンジン・ストールを略して、エンスト、あるいはエンジン・ストップを略した和製英語という二つの説がある。いずれもエンジンが停止することで、英語のstallはこれだけでエンジンが止まることを意味する」と書かれている。しかし、英文整備書ではengine stall以外に、vehicle stall, turbine stall, window motor stallなど様々な「停止」の意味で使用されているが、故障のニュアンスが含まれる。 フェイシア = fascia米国車ではフロント・グリル周辺のことを指し、英国車ではインストルメント・パネル/ダッシュボードのことを指す。米国車ではボディ後端をリヤ・フェイシアともいい、フロント・ファイシアと区別する。 ナンバー・プレート = license plate
エンジン・ルーム/エンジン室 = engine compartment, under the hood
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注1:諸元/dimensionについては河川・水資源日英用語集編集委員会による無償配布の 「河川・水資源・日英用語集」にのみ「諸元」の英訳語として「dimension」が掲載されています*2。同じグループの英和版「河川・水資源・英日用語集」には掲載されていません。 以下の方々に提供いただいた情報です。お礼の意味も含めてご紹介いたします。 *1: 吉田英毅さん*2: 井上美紀さん *3: 森川(Kazunori Morikawa)さん *4: 佐久間祐一さん *5: 深瀧庸平さん *6: クセナキスさん *7: Sakinoさん 上記お名前の記載が好ましくない場合や、ハンドル名に変更したい場合は、末尾のメールアドレスまでお知らせください。速やかに削除/変更いたします。 上記疑問点に対するご回答、記載事項の間違いに対するご指摘、他にも意外な言い回しや用語がありましたら、下記までお知らせください。できれば修正、追加したいと思います。また、類似のホームページやブログにリンクさせていただけると幸いです。 |
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